第23話「路線価」

2025年07月18日

スガヤのコラム ~札幌不動産売却の疑問点~ 第23話「路線価」

 

こんにちは、センチュリー21 TRAD 札幌店の菅谷(スガヤ)です。

 

今回は、路線価についてのコラムです。
2025年7月1日に、国税庁が、2025年1月1日時点の路線価を公表しました。
※下記イラストの地図とは異なり、実際には道路上に路線価(数字)が書いてあります。

路線価たぬき

『2025年7月2日 北海道新聞 朝刊』を要約すると、このような内容となります。


・道内の平均変動率は前年比2.4%の上昇
・10年連続で上がったものの、上昇率は前年の5.2%から2.8ポイント下がり、過去10年では初めて全国平均(2.7%)を下回った
・その結果、都道府県別の上昇率は前年の4位から12位になった
・これまで道内の地価上昇をけん引してきた札幌圏の減速が響いたよう
・建築費の高騰や金利上昇の不安で、商業地も住宅地も買いづらい状況になったからか

 

この情報を踏まえ、売主様・買主様への影響について、メリットとデメリットを整理いたします。


■ 売主様への影響

 

【メリット】

1.地価は10年連続で上昇中
    → 依然として過去と比べて高値圏にあるため、『売却額が相対的に高くなりやすい』。
2.減速傾向を背景に「今のうちに売っておきたい」需要が見込まれる
    → 相場のピーク感を察知した購入希望者が動くことで、『早期成約につながる可能性』も。

 

【デメリット】

1.上昇率が全国平均以下、順位も4位から12位へ
    → 道内不動産への投資や購入の注目度がやや後退。『売れにくさ』や『価格交渉が厳しくなる懸念』。
2.札幌圏の減速が顕著
    → これまで高騰していた地域での売却期待が調整され、『思ったより高く売れない可能性』も。
3.建築費高騰・金利不安で買い手が消極的
    → 特に戸建用地などでは、『土地は買っても建てられない(またはローンが組みにくい)』という障壁に。


■ 買主様への影響

 

【メリット】

1.急激な上昇が落ち着き始めた
    → 相場の加熱が和らいでおり、『過熱感が薄れた安心感・冷静な判断がしやすい時期』。
2.価格交渉の余地が増える
    → 売主側も「天井感」を意識し始めており、『値下げ交渉のチャンス』が生まれる可能性も。

 

デメリット

1.建築費が高止まり or 上昇中
    → 土地価格が落ち着いても、『総建築コストは依然として高い』。特に注文住宅では負担増。
2.金利上昇の懸念
    → 住宅ローンの金利がこれから上がる可能性があり、『ローン返済額の見通しが不透明に』。
3.需要減速により資産価値の伸び悩みも懸念
    → 「買ったあとにさらに上がる」期待がしづらく、『投資目線での購入には慎重な空気』。

 

■ 総合的な視点:今は「転換期」

・道内の地価は『10年連続上昇という歴史的な流れの中で、明確なブレーキ』がかかり始めています。
・今後は『売るにも買うにも、冷静な判断が問われる時期』と言えるでしょう。
・売主様には「高いうちに売りたい」、買主様には「値下がりする前に慎重に選びたい」という異なる心理が働くため、『適切な価格設定と戦略が重要』です。

 

不動産についてのご相談がございましたら、ぜひ『センチュリー21 TRAD 札幌店』へ! 

※今回のイラストはChatGPTで生成しております。

(ご参考)

路線価とは:
宅地の価額がおおむね同一と認められる一連の宅地が面している路線(公衆が通行する道路のこと)について、その路線に面する宅地の1平方メートル当たりの価額を1,000円単位で表示したものを「路線価」という。
宅地の価格水準が基本的にはその宅地が面する道路によって決定されるという発想にもとづいて、宅地の価格水準を道路ごとに表示したものと考えることができる。
公的な土地評価では、相続財産評価および固定資産税評価においてこの路線価が使用されている。
相続財産評価では市街地の宅地については路線ごとに「路線価」を定め、この路線価を基準として各種の補正率を適用し、宅地の財産評価を行なう。
この相続財産評価の路線価は、地価公示価格・売買実例価額・鑑定評価額・精通者意見価格などを参考として各国税局の局長が評定する。評定の基礎となる「標準宅地」としては全国で約40万地点が定められている。
この相続財産評価の路線価は、毎年1月1日を評価時点として評定され、毎年7、8月ごろに一般に公開されている。
なお、相続財産評価の路線価は、1992(平成4)年以降は地価公示の8割程度となるように評定されている。

https://www.athome.co.jp/contents/words/term_42/

 

国税庁 「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」
https://www.rosenka.nta.go.jp/