すがっち探検隊(続)第39話「揺夏」
2026年03月06日
こんにちは、 センチュリー21 TRAD 札幌店のすがっちです!
1年前のお話の続き。
※その胸キュンストーリーはこちらからどうぞ。
第14話「春別」
夏の再会、揺れる心
東京の夏は、容赦がなかった。
アスファルトはじりじりと熱を持ち、ビル風さえも生ぬるい。
黒と茶のブチ模様のハルは、大きな企業の入る高層ビルの前で、資料の入った鞄を抱えていた。
新社会人四か月目。
覚えること、謝ること、走ること。
毎日が必死で、気づけば夜になっている。
――ミミ、元気かな。
思い浮かべても、最後に連絡を取ったのがいつだったか思い出せない。
そのとき。
「……ハル?」
聞き覚えのある声。
振り向くと、そこには三毛猫のサクラが立っていた。
白いブラウスに紺のスカート。少し大人びた表情。
「サクラ? なんでここに?」
「私、こっちの広告代理店に就職したの」
偶然だった。
同じ取引先のビル。まさか、こんな都会で再会するなんて。
二匹は近くのカフェに入った。
冷たいアイスティーのグラスに、水滴が流れる。
サクラ「元気?」
ハル「うん、元気」
サクラ「ミミは?」
ハルは、ほんの一瞬だけ目を伏せた。
ハル「……全然連絡取ってないからわからないんだ」
沈黙。
サクラの胸が、どくんと鳴る。
――今だ。
ずっと胸の奥にしまっていた想いが、夏の熱に溶け出す。
「そっか……」
サクラは微笑んだ。
「ハル、無理してない?」
「え?」
「ハル、昔から一人で抱え込むタイプだったでしょ」
優しい声。
まっすぐな瞳。
ハルの胸が少しだけ揺れる。
ミミとは、好き同士のまま。
でも、今そばにいるのはサクラだ。
距離。時間。忙しさ。
それは想いを少しずつ乾かしていく。
サクラは、そっと続けた。
「今度、またごはん行かない?」
その瞬間。
ハルのスマートフォンが震えた。
ピコン。
差出人――ミミ。
二匹の心臓が同時に跳ねる。
ハルは画面を開いた。
「来週、出張で東京に三日間行くことになったよ。
もし時間があったら、少しだけ会えないかな?」
ハルの瞳が、大きく揺れる。
サクラも、画面を見てしまった。
空気が変わる。
さっきまでの夏の熱が、急に遠くなる。
サクラはゆっくりと息を吸った。
――やっぱり、簡単じゃない。
でも。
「……よかったじゃん」
サクラは笑った。
本当は、胸がきゅっと痛い。
でも、逃げないと決めた。
「ちゃんと会いなよ。ちゃんと話しなよ」
ハルは戸惑う。
「サクラ……」
「私は、逃げないから」
それは宣言だった。
恋からも、友情からも。
ハルはスマートフォンを握りしめた。
夏の空は、どこまでも青い。
離れても消えなかった想い。
近くにいて芽生えそうな想い。
三匹の青春は、まだ終わっていない。
――来週、東京で。
運命の歯車が、もう一度回り始める。(続)
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※今回のイラストはChatGPTで生成しております。
※このお話の続きは、また、2週間後に。
